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2013/03/22

小さな声、大きな意志



昨日は練馬まちづくりセンター「まちづくり活動助成」の公開審査会へ。イベントのタイトルは、「ねりまちコレカラ集会」。午前中に各団体の成果発表をして、午後はワークショップとディスカッション(「白熱教室」)という一日。なかなかハードでとてもつかれたが、学ぶものが多かった。



「まちづくりマインドマップ」ではまちづくりにおける様々な「課題」(小学校の空き教室が増えるけどどうする?アニメのまち政策は豊島や杉並のほうがうまくいっているのでは?など)に対する解決案や考えを参加者がふせんで書き込んでいく。「まちづくり年表」や「まちづくり活動マップ」などもあり、練馬におけるこうした活動の「歴史」「地理」「課題と可能性」などが可視化されていく。

それらの情報をたたき台に、審査委員長の小泉先生と、まちづくりセンターの中島さんが司会となって、参加者の声をひろいながら、議論のポイントをまとめていく。小泉先生のコメントはどれも冷静で、それでいてポジティブで、ユーモアもまじっている。(先生のイケメン力がかなりすごい。)



この日出会った方で感動したのでちょっと紹介。西大泉児童館をベースに活動をしている「おとあーと研究室」。メンバーの大貫さんは、鳥のように可憐な見た目なのに、生後1ヶ月ちょっとの赤ちゃんをかつぎ、3歳と2歳の姉妹を連れて、会場に来ていた。「どっこい生きている」というキャッチコピーがぴったりの、たくましいお母さんだった。アーティスト・イン・児童館のこともよく知ってもらっていて、すごく嬉しかった。なにかつながれたらいいなぁ~。

今日は偶然Facebookで知って参加した「児童館・月イチ連絡会」。児童館職員があつまり、「児童館の”エヴィデンス”を提示するには?」をテーマに議論を重ねてきた会議で、今回はちょっとオープンにしようってことでオブザーバーとして参加させてもらった。

「児童館の価値をどうやったら社会に伝えられるか?」というところがポイントで、児童館がつくりだしている子どもたちの関係性や”自己肯定感”を数値にする、とか、子どもの変化の過程をエピソードにして提示するとか、様々な方法が議論されていた。

会場は「こどもの城」だったのだけど、ここは来年度末に閉館を予定している。児童館の総本山とも言うべき「東京都児童会館」「こどもの城」という渋谷にある2大拠点が閉鎖するということは、児童館史の節目を表していると言わざるを得ない。

そんな背景もあって、かなり切迫した雰囲気で議論が行われているように感じた。笑いや冗談も交えつつ、「児童館の価値をなんとか表現しないとヤバイ!」という参加者の方々の熱意をひしひしと感じ得た。

どちらも、個々の小さな現場の知恵を、社会の諸問題に接続し、それらを解決するための「政策提案」に結びつけようとしていた。練馬まちづくりセンターで言えば練馬区役所の「練馬都市計画マスタープラン」、児童館で言えば厚生労働省の「次世代育成支援行動計画」。

財団が中間支援的な役割を担い、小さな現場の声を、大きな意思決定につなげていくプラットフォームを形成している。こうした場が有機的に機能する(大きな意思決定の内容を変える)ためにはインパクトが必要。それは、爆発力みたいな類のものではなく、小さな現場の声を結びつけるというネットワークの具体性とか、わかりやすいさ、みたいな話なのかも。